CHAPTER 02 商品について
靴下の編み機1台からのスタート
現代人の体が冷えていることや冷えの怖さについていち早く警鐘を鳴らしてきたのが、今回ご登場いただいた川嶋朗先生(東京有明医療大学教授)です。川嶋先生は、多くの患者さんをときには冷えを解消することで治療してきました。「心もからだも『冷え』が万病のもと」など、冷えに関する多数の著書をもつ冷え治療の第一人者です。
体温が1℃下がれば、免疫は30%、
代謝は12%も下がる!
それは実験、研究によって明らかになっています。
免疫を司っている白血球は、異物が体内に侵入すると血管を通って急行しますが、体温が下がって血流が悪くなると、到着するまでに時間がかかってしまうのです。さらに、敵である異物を目前にして白血球の動きが悪くなることも判明しています。
このようにして免疫力が低下し、病気と戦う力が弱まってしまうわけです。
がんの免疫療法を受けていたにもかかわらず、血液1マイクロリットルあたりのリンパ球の数が500個から600個にしか増えなかった患者さんが、うちの病院へ来て湯たんぽを使って体を温めたところ、理想値の範囲に近い1600個まで増えました。
体を温めると免疫細胞を活性化させるだけでなく、数も増やします。
大人は運動不足
子どもは過保護が体を冷やしている。
なぜ現代人の体は冷えているのでしょうか。大人と子どもに分けて考えたほうがいいでしょう。
体温を作り出しているのは主に筋肉です。男性と比べて筋肉の量が少ない女性に冷えが多いのはそれが影響しています。もちろん、男性も中高年になって筋肉の量が落ちてきますから、歳をとると冷えが現れてくるのは女性と同じです。
もうひとつ、筋肉で作られた熱を全身に運ぶのは血液ですから、血液の流れが悪くなると体温は上がりません。
この二つの点を考えると、運動不足は大きな原因のひとつです。その他、エアコンや薄着、冷たい飲み物、体を冷やす食べ物などが冷えを招いています。
体を温めるだけで病気と戦う力が強くなる
体温が下がると血液の流れが悪くなります。血液は各臓器や各器官へ酸素や栄養分を運んでいますから、これらの働きは衰えてしまいますし、体の中で常に行なわれている化学反応、つまり代謝が低下してしまうのです。体調不良や病気の中にはこのようにして起こるものもあります。
不調は体だけではありません。例えば、うつ病と冷えはいっけん関係がないようにみえますが、体温を測ってみると低体温であることは決して珍しくありません。西洋医学のお医者さんはそのあたりを見逃していることもあり、なかなか治療の効果が上がらないこともあります。
薬に頼りすぎでもいけません。西洋薬は化学物質で作られていますから、体を冷やしてしまいます。「食べ過ぎたから胃腸薬をください」と言う患者さんがいますが、薬を飲まないでも、食べ過ぎに注意し、しばらく食べなければ治るのですから。
筋肉の量を落とし、体が熱を作る力を低下させるという点では、過度なダイエットも注意しなければなりません。運動をしないで食事の量を減らすだけのダイエットは、脂肪よりも筋肉を落としてしまうからです。
これらは主に大人の事情ですが、子どもはどうかといえば、過保護が問題だと思います。冬でも昔は半ズボンでした。必要以上の厚着は、熱を作ったり逃がしたりするという本来子どもがもっている能力を奪っています。屋外で少し運動したくらいで熱中症になるのは明らかにおかしい。
冷えとは…
体温が下がると血液の流れが悪くなります。血液は各臓器や各器官へ酸素や栄養分を運んでいますから、これらの働きは衰えてしまいますし、体の中で常に行なわれている化学反応、つまり代謝が低下してしまうのです。体調不良や病気の中にはこのようにして起こるものもあります。
不調は体だけではありません。例えば、うつ病と冷えはいっけん関係がないようにみえますが、体温を測ってみると低体温であることは決して珍しくありません。西洋医学のお医者さんはそのあたりを見逃していることもあり、なかなか治療の効果が上がらないこともあります。
熱を作れる体づくりと筋肉、太い血管内臓を温める
熱を作れるようにすることと体を温めることの二つの方法があります。
1.筋肉をつけること
熱を作れるようにするには筋肉をつけることです。例えば、洗濯物を1枚ほす毎に1回しゃがむ。これだけでも十分にスクワットになります。電車に乗っても座らない。駅では階段を上り下りしてエスカレーターは使わない。
これは冗談ですが、「お年寄りには席をゆずらない」ほうがいいのです(笑)。
2.汗をかきすぎないこと
私は、座るときは常に湯たんぽを太ももの上に置いています。ただし、これも「しすぎない」ことです。汗をかいてしまうと、体温が下がってしまいます。太ももが温まったら、今度は背中や腰まわりなどと順に湯たんぽを移動させるのです。