温活生活
睡眠の質を上げる毎日の習慣とは?【前編】
だんだん涼しい日が多くなってきて、秋の始まりを感じさせるこの頃。
食欲の秋、芸術の秋、読書の秋…と秋はやることが盛り沢山ですが、秋は気温が低くなって寝やすい環境になることから、「睡眠の秋」ともいわれているのです。
9月3日は秋の睡眠の日。「ぐっ(9)すり(スリー=3)」という語呂合わせに由来するとのことですが、良質な睡眠時間を過ごすために、改めて毎日の習慣を見直しましょう!
体の熱をスムーズに
逃がすことが快眠の秘訣
快眠のカギを握るのは体温です。
体温には2種類あり、体の表面の温度を「皮膚温」、脳や内臓などの体の内部の温度を「深部体温」といいます。
深部体温は生命維持のために皮膚温より1度ぐらい高くなっているのが特徴です。
私たちの体は、活動量が多い昼間は体温が高く保たれていますが、眠りにつくときには深部体温が下がり、外気温との差が生じるにつれ、眠気がやってくる仕組みになっています。
なぜ眠るときに深部体温を下げる必要があるのかというと、答えは簡単。活動をしている間、絶えず働き続けている「脳」を休ませるためなのです。脳を冷やし、脳の働きを落ち着かせ、脳の休息を促すことによって、働き続けた脳を休ませるのが睡眠の役割です。
子供の手足が温かくなるのは眠たいサインといわれていますが、それは深部体温を下げるためにここから熱を逃しているから。大人の体も同じ仕組みで、眠気を発生させるには、手足の甲から熱を放出させ就寝前に深部体温を下げることがとっても大事。深い睡眠(ノンレム睡眠)をするためにも、深部体温を下げることが重要なんです。
冷え性の方が上手に寝付けなかったり、一度寝入っても目が覚めてしまうのは、手足からうまく熱が放出されないため、深部体温が下がりきらないのが原因の一つです。良質な睡眠がとれないと、自律神経の働きが乱れて血行が悪くなり、ますます体が冷えてしまう悪循環に。
そこで寝るときの「冷え対策」やぐっすり安眠につながるヒントをご紹介します。
寝る前に意識したい、
入浴と運動
Point 1 / お風呂でリラックス
入浴は寝る1〜2時間前に、38〜40℃のぬるめのお風呂にゆっくり浸かりましょう。時間は10分~15分くらいが目安です。
ぬるめの湯は副交感神経を優位にし、心身がリラックスして眠りにつきやすくなります。
体が温まって末梢血管が広がると、手足からの熱放散もスムーズになります。
長風呂や熱い湯に浸かると、汗をかきすぎたり、神経が高ぶって眠りにつきにくくなるので要注意。
Point 2 / 軽めの運動で身体をほんわか温める
夕方にウォーキングなど、軽めの運動を行うのも◎。
時間がない場合は寝る前にベッドの上で、上のイラストのように片足を曲げて前屈をすると股関節がほぐれます。無理のない範囲で行ってくださいね。
毎日の習慣にすると、血流がよくなり身体がほんわか温まります。
Point 3 / 就寝時の服装にも気をつかって
寝るときの服装は、締め付けがないパジャマが良いでしょう。
締め付けのある服装は血流悪化に繋がってしまいます。体温調節しやすい自然素材のものだと尚良いですね。
また、寒いからといって靴下をはいて寝ると冷え性を悪化させる可能性があります。
深部体温を下げるために足裏は開けておきたい部位。
Point 4 / 三首を温めるのが大切
足が冷えるときは締め付けの少ないレッグウォーマーで温めることがオススメです。ひどい冷え性の方は、手首・足首・股関節を温めるのが効果的です。
Point 5 / 寝る前はスマホNG
寝る前に暖房をつけて室温を上げたり、電気毛布や湯たんぽ、布団乾燥機で布団の中を暖めておくのも良いですね。冷え性の方には特にオススメです。また、寝る1時間前にはスマホやテレビを見るのはやめて、静かに過ごしましょう。
Point 6 / 朝は素早く目覚めてシャキ!
ぐっすり眠れた朝の過ごし方にも工夫が必要です。
三度寝・四度寝して起きると体がだるくなって、一日中ぼんやりしてしまうので、シャキッと目覚めましょう!
カーテンを開けて日光を浴びると、脳を覚醒させるホルモン「セロトニン」が分泌されてスッキリしますよ。
規則正しい生活が
睡眠の質を上げる近道
日本では、およそ5人に1人が睡眠に関して悩みを抱えているといわれています。
睡眠の質は現代人が早急に改善しなければいけない大きな問題。無理な習慣はストレスにもなりますし、なにより続きません。
ついつい夜更かしや寝る前のスマホの誘惑に負けてしまいますが、日常生活でちょっとした工夫をすることで快眠は簡単に叶います。少しずつで良いので、睡眠の質を意識しながら夜を過ごしましょう。それでは、今夜も良い眠りを!